皆様方にはご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
やっとコロナ禍から抜け出し私たち工芸士会をはじめ、業界も爽やかな春の訪れを大変うれしく思っております。
さて、一般社団法人日本ステンドグラス工芸士会(以後工芸士会という)のホームページを昨年やっと再開できたと思っておりましたら、またセキュリティーの関係上で不具合が出たため、昨年お知らせしたアドレスを変更することになり、更に新しく作り直しました。
工芸士会の理念は、ステンドグラスを社会に正しく周知位置づけすることです。顧客に適正価格と安全性をもたらし、工芸士会会員や未入会者が技能向上を目指すための環境を与え、技術が継承されていくことを目指しています。
ここ十数年、ステンドグラスの反りや熱割れ、ステンドグラスアート作品の破損などのため幾度も調査に行きましたが、どれもとても未熟な作りでした。とてもプロの職人が作ったとは思えないような作品が横行しているようで驚きました。プロとして作品を作り代金を頂くのであれば、何かあったときに責任を取らなくてはなりません。しかしその作品を作った人間が粗悪品であると理解できないほど未熟であったため、顧客がステンドグラス本来の良さを味わえないことに対してとても気の毒に感じました。
このようなことを減らすことができるよう、工芸士会ではステンドグラス技術者の技能資格規定をしています。ステンドグラス一級工芸士以上は実技試験を義務づけし、工芸士会で管理しています。
来年からは中断していた官公庁への挨拶陳情を再開し、埋もれた技能者を発掘して資格者の増員を図り、工芸士会主催の作品展の開催も視野に入れています。
私は初代会長を拝命し11年経ちました。その間活動準備まで3年間経て、官公庁へ工芸士会の宣伝と力添え頂くための陳情を経年継続しましたが、新型コロナウイルスの大流行のため外部活動が閉ざされ、官公庁への陳情も中断せざるをえない状況となりました。
社会全体としては5類に移行されコロナ禍から脱却しているように思えますが、今現在も感染者は出ているようです。工芸士会理事会は絶対に感染しない為、自己防衛を義務づけしながら活動を再開し、なるべく早く平常に戻ることを願っています。
令和6年3月吉日
一般社団法人日本ステンドグラス工芸士会
代表理事 髙木成忠